アタル首相が就任してから、4月18日でちょうど100日目を迎えた。首相はこの機会に精力的にメディアとの取材に応じて広報活動を展開している。
首相は18日に、パリ首都圏のビリシャティヨン市を訪問し、若年犯罪対策に関する見解を表明する。同市では先頃、男子中学生が未成年者らのグループに暴行を受けて死亡する事件があったばかりで、このところ続く未成年者による暴力的事件を象徴する事件として、世間を騒がせた。首相はこれより前、施政方針演説において、未成年者の非行について、厳正に処罰して正しい道に連れ戻すと言明し、国の威厳を重んじる対応で臨む考えを示していた。就任100日目にこの問題を前面に打ち出すことで、アタル首相が信条に掲げた国の権威の回復というテーマで国民に訴えかける考えとみられる。首相の100日間については、掛け声ばかりで成果が伴っていないとする批判の声も聞かれる。
保守系日刊紙ルフィガロが18日に発表した世論調査によると、「アタル首相をよい首相だと思うか」という問いに51%が「そう思う」と回答。人気はかなり高い水準を保っている。一連の属性を挙げてアタル首相にふさわしいかどうかを尋ねたところ、「ダイナミック」が68%で最も多く、「感じがよい」(62%)、「開かれた姿勢で対話に臨んでいる」(59%)など、肯定的なものが多かった。反面、政策の成果については、力を入れている「若年者政策」で肯定的な評価がいちばん大きかったが、それでも、「満足できる成果」と評価した人は40%と少数派にとどまり、政策遂行能力の評価は優れなかった。「マクロン大統領とアタル首相とどちらが好きか」の問いには、65%がアタル首相と答えており、マクロン大統領は27%にとどまった。これは、アタル首相の人気という以上に、マクロン大統領の不人気を示す数字とも考えられる。