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転職先でも有給休暇の権利を行使:労使が新制度導入で基本合意

経営者団体のうちU2Pが労組との間で進めていた全体交渉の一部が16日にまとまった。有給休暇等の取得権利を蓄積できる制度の導入で合意した。

CETUという名称の個別アカウントを導入し、ここに有給休暇等の取得権利が蓄積される。転職後の勤務先で、条件付きでその行使が可能になる。具体的には、年間5週間の有給休暇については未消化分を1年につき1週間まで蓄積できる。時短合意に伴う有給休暇や残業に伴い取得した代休の権利等も別途蓄積できる。権利は金額換算で蓄積され、その金額は実勢賃金水準の年間推移に連動する形でスライド改定される。アカウントの記帳等の管理は政府系金融機関CDCに委託される。行使については、転職先の勤続年数が条件となり、通常の行使の場合には36ヵ月以上の勤続実績が必要になる。行使は最低で1ヵ月分、最大で12ヵ月分の範囲内で行われることを要する。

この制度の導入は、マクロン大統領が選挙公約に掲げていたもので、労組の中で特にCFDTが積極的に導入を求めていた。経営者団体側では、最大団体のMEDEFが批判的であり、先にすべての経営者団体と労組が参加して行われ、決裂に終わった失業保険関連の労使交渉でも、あらかじめ議題から外されていた。U2Pは、商店主や手工業者など零細の事業者が主に加入する経営者団体で、人材誘致に有利とみて同制度の導入に意欲的であり、今回、他の経営者団体(MEDEFとCPME)が不参加の中で労組と交渉し、合意をまとめた。ただ、合意を施行するには、政府に関連法令の制定を請求する必要があり、その段階で、多数派経営者団体であるMEDEFは制定を妨害することができる。また、労組の中では、管理職の加入が多いCFE-CGCが強く反対している。

KSM News and Research