欧州中銀(ECB)は4月11日に開いた定例理事会で、政策金利の据え置きを決めた。下限金利は4%、上限金利は4.75%、リファイナンス金利は4.5%にそれぞれ据え置かれた。
ECBは、ユーロ圏のインフレが低下し続けていることを踏まえて、目標値の2%へと向かう確信が高まった場合には、金融引き締めの緩和を決めると説明。6月の次回理事会で利下げを決める可能性を示唆した。3月のユーロ圏のインフレ率は食品の物価上昇の勢いが大きく鈍化したことで2.4%に落ち着き、前の月の2.6%を下回った。一方の米国では3月にインフレが加速し、10日に発表された消費者物価指数は予想を上回る3.5%だった。インフレ圧力を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ決定は9月半ばに持ち越されるとの見方が広がっており、ECBがFRBに先立って利下げに踏み切る可能性が出てきた。
ECBのラガルド総裁は、ECBの金融政策はデータに基づいて決めるとして、FRBの利下げ如何に影響されるものではないと繰り返した。また、ECBの理事会内では4月の利下げを支持する向きもあったが、経済状況がより確実になってから決定すべきとの意見が大きく勝ったとした。ING銀行のエコノミストらはECBが四半期毎に0.25ポイントの幅の「緩慢な」利下げを選択すると見ている。