パリ近郊のセルジーポントワーズ地方行政裁判所は10日、教員の欠勤により不利益を被ったとして生徒と保護者らが起こした訴えで、国の責任を認める判決を言い渡した。同種の一連の訴訟で初めての原告勝訴となった。
この裁判では、12人が訴えを起こしたが、うち8人が勝訴した。うち、小学校3年生(CE2)の生徒の場合は、2021-22年度に30日の教員欠勤があり、代行が手配されないまま、教育機会が失された。別の中学生の場合は、1年生で117時間、2年生で39時間の授業がなされなかった。裁判所は、1988年の行政最高裁(コンセイユデタ)の判例に依拠し、すべての必修科目の教育を保障する法的義務を教育省は負っていると認定。判決では、連続で3週間以上、飛び飛びでは年間で15%以上の休講があった場合に、国の責任が問われた。ただし、賠償金の金額は1人につき150ユーロと象徴的な金額にとどめた。
教育省はこの判決について、内容を精査した上で控訴を検討するとコメント。1988年の判例は、欠勤の場合に適切な手配をする義務を課したものであり、そうした法的義務は提訴の案件においても満たされていたものと考えている、と説明した。提訴は父兄の連合組織FCPEなどの支援により行われたが、2022年以来で20学区において340件の提訴がなされており、これから順次判決が下されることになる。