仏エコロジー移行省は11日、「人工被覆化ネットゼロ」の目標達成義務から除外されるプロジェクトの第1次リストを公表する。重要な大規模プロジェクトの実現の妨げとならないよう配慮した。
人工被覆域の拡大は生物多様性にとって有害と考えられ、ヒートアイランド現象の原因としても問題視されている。政府は、将来的な人工被覆化ネットゼロを目指し、2021年から2031年の間の人工被覆域の増大分を、従来の半分(25万ヘクタールから12万5000ヘクタール)に減らすことを決めている。ただし、この削減目標の適用除外となる1万2500ヘクタール分の枠を政府は設定しており、その枠に含まれる対象プロジェクトの第1次リストをエコロジー移行省はこのほどまとめて、10日に関係自治体等に提示した。レゼコー紙の報道によると、リストには、南西地方の鉄道整備プロジェクト、環境派が反対しているオクシタニー地域圏内の高速道路A69の整備プロジェクト、さらに、北部地方のセーヌ・ノール運河の建設プロジェクト、首都圏とノルマンディ地方方面を結ぶ鉄道新線プロジェクト、リヨン・トリノ間の鉄道整備プロジェクトなど、国土整備の大規模計画が含まれる。港湾整備計画(ルアーブル、マルセイユ、ダンケルク)とナント空港の整備事業も含まれる。このほか、工場新設計画(McPhyの電解槽製造ギガファクトリー、MBDAのミサイル工場など)や、アルザスのリチウム採掘事業なども含まれる。