下院は4日、有機フッ素化合物(PFAS)の禁止に関する法案を採択した。法案は5月30日に上院で審議される予定。
有機フッ素化合物(PFAS)は近年、「永遠の化学物質」などと呼ばれ、自然界で分解されることがほとんどないことから、水の汚染が進むことが懸念の対象となっている。水などをはじくその性質から、焦げ付かないフライパンのコーティングや、化粧品、スキーワックスなどに使用されている。その毒性については議論の対象となっている。
法案は、環境派政党EELV所属のティエリー議員が議員立法法案の形で提出した。下院を通過した法案は、2026年1月1日以降、化粧品、スキーワックス、大部分の衣類について、PFASの使用を禁止する旨を定めている。フライパンにおける使用については、国内生産する仏大手のテファール(セブ傘下)の従業員らが、雇用の維持などを求めて抗議行動を行ったこともあり、原案に含まれていた禁止措置が、国会審議の過程で削除された。
下院を通過した法案にはこのほか、5年間をかけて段階的にPFASを含む排水を禁止する措置と、飲料水における汚染状況の検査の義務が盛り込まれた。「汚染者負担の原則」に依拠してメーカーに拠出金を納付させることも決まった。