政府は3日に開いた閣議で農業法案を決定した。法案の下院審議は5月13日に始まる予定。
政府はこの法案を、先に生じた農民らによる抗議行動への回答として策定した。国家の防衛と基本的利益に貢献する政策目標として「食料主権」を設定し、その達成のために農業を優先部門として位置づける内容で、農民に対する配慮を明文化した格好になった。
具体的には、農業のための教育とトレーニングの強化を打ち出し、小学校における農家見学の提供、中学・高校における体験型の研修の実施、一般向けの広報キャンペーンの展開を盛り込んだ。また、農業部門の起業支援では、新設機関「フランス・セルビス・アグリキュルチュール」を通じた支援に2400万ユーロの予算を設定。起業やエコロジー移行支援のための公的融資保証の制度も導入する。環境規制や行政手続き等の簡素化では、刑事罰から罰金処分への切り替えを通じて、農民に過剰な処罰が下されないようにすると約束。貯水池や畜舎建設などのプロジェクトにおいて、係争が長期間にわたり続くような状況をなくすことも約束した。法案はまた、農業、漁業、養殖業を、国の「主要な利益」と認定しており、環境のような他の「主要な利益」に対して重しが効くような法令の枠組みを整える内容でもある。
法案の国会審議においては多数の修正案が提出されることが予想される。フェノー農相は、開かれた態度で修正案を検討すると約束した。