3月末の給与の支払いが遅れる可能性がある。銀行間決済システムが復活祭(3月31日)の休業期間に入ることと関係がある。
ユーロ圏内の銀行間決済はターゲット2と呼ばれるシステムを経由している。今年はこの月末が復活祭の長い休暇と重なり、そのため、ターゲット2の休業期間とも重なってしまうため、指図された振込が振込先口座において反映されるのが休暇明けの4月2日(火)以降になってしまう可能性がある。フランスでは、29日(金)は祝日ではないが、欧州の多くの国では、聖金曜日として祝日であり、ターゲット2の休業期間もこの日が起点となる。フランスでも「復活祭後の月曜日」として祝日である4月1日(月)の翌日である2日から稼働が再開する。振り込みから入金まで24時間程度がかかるため、フランスでは営業日の29日に振込の手配がなされるとすると、入金は早くて4月2日、最大では同4日(木)までずれ込むことになるという。これを回避するには、27日(水)までに手配を終えることが望ましいといい、多くの企業はターゲット2の休業を見越して早めの手配を心掛けるとみられるが、取りこぼしが出ることも予想される。
同一銀行に保有する口座間の資金の移動は祝祭日によらず実行できる。また、即時送金は年中無休で稼働する。これに伴い、銀行側としては精算を待って長い休業期間中に十分な資金を蓄えておく対応が必要なのだという。