仏フナック・ダルティ(書籍・電子製品・家電販売大手)は3月21日、パリのシャンゼリゼ大通りにあるフナックの店舗を年末に閉鎖すると発表した。フナックのシャンゼリゼ店は長年にわたり大幅な赤字が続いているといい、同社は経済的に妥当で、社会的に責任ある唯一の選択肢だと説明した。店舗の賃貸料をはじめとする経費全般の上昇に加えて、シャンゼリゼ地区の商業活動は外国人観光客向けの高級品販売が主流になり、フナックの顧客が訪れる頻度も減る傾向にあるため、将来性も乏しいことが決め手となった。
シャンゼリゼ店の従業員は101人で、全員がパリ市内にあるほかの5ヵ所のフナック店舗に配置転換となる。今と同じポストと給与を保証されるという。
フナック・ダルティは10ヵ国以上に1000店超の店舗を展開し、2万5000人を雇用。2023年に前年比0.9%減の78億7000万ユーロの売上高に対して、5000万ユーロの純利益を計上し、黒字転換を果たした(2022年には3200万ユーロの純損失を記録)。