フランス中銀が発表の国際収支によると、経常収支は2023年に346億ユーロの赤字となったが、サービス収支のうち旅行収支は181億ユーロの黒字を記録した。黒字幅は前年比で3.7%拡大した。インバンド観光客に由来する収入は635億ユーロとなり、前年比で12%近く増加し、過去最高記録を更新した。
観光部門はフランスの国内総生産(GDP)の7-8%を占める。観光振興の公的団体アトゥ・フランスは、インフレ亢進の中でも世界の家計が観光支出を裁定の対象から外していることがうかがわれると指摘して、好調な観光収入を歓迎している。宿泊施設に限ると、収入は前年比で10%を超える増加を記録したという(調査会社MKG調べ)。
ラグビーW杯が開催された影響からか、欧州諸国からの観光客の貢献が特に目立った。収入では、ベルギー人が82億ユーロで最も多く、英国人(72億ユーロ)、スイス人及びドイツ人(各65億ユーロ)が続いた。米国人は62億ユーロとなり、前年(55億ユーロ)はもとより、コロナ前の2019年(41億ユーロ)を上回った。