政府は19日、大気汚染に関する省間委員会の会合を開き、市街地の車両乗り入れ制限について協議した。大気汚染の全体的な改善を理由に、義務的な制限の導入をパリ都市圏とリヨン都市圏にのみ求めることを決めた。
政府は、ZFEと呼ばれる車両乗り入れ制限地区の設定を、人口15万人以上の自治体連合(全国に43)に対して義務付けた。ただ、ドライバーや自治体側の反発が根強くあり、政府は規制の緩和に応じていた。規制は「Crit ’Air(クリテール)」と呼ばれる、汚染度に応じたラベル制度に基づいてなされるが、乗り入れ制限の対象となるのは、1996年以前に登録の車両(クリテールのラベル取得ができない番外扱い)に限られ、それ以上の制限拡大は、当該都市圏の汚染度に基づいて決める形になった。今回、政府は審査の上で、2025年年頭より「クリテール3」(2006年年頭以前に登録のガソリン車と2011年年頭以前に登録のディーゼル車)までの乗り入れ制限の適用を義務付けられる都市圏として、パリ都市圏とリヨン都市圏のみを選定した。大気汚染の水準がかなり高めのルーアン、ストラスブール、マルセイユ・エクサンプロバンスの3都市圏は義務付けを逃れた。
政府の集計によると、二酸化窒素(NO2)の汚染度は全国43都市圏の平均で1立方メートル当たり24マイクログラムまで低下した。パリとリヨンでは欧州基準の40マイクログラムをまだ上回っており、制限導入が決まった。