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デカトロン、新たな経営戦略を発表

仏スポーツ用品大手デカトロン(ミュリエ一族傘下)は3月12日、新たな経営戦略を発表した。同社は世界70ヵ国以上で1700店(従業員総数は10万人)を展開する総合的なスポーツ用品販売会社だが、特にコスパの良いPB商品が人気で、100前後の種目をカバーする70種類超のPBを保有している。新戦略では、「デカトロン」を、ナイキやアディダスと並ぶような世界的ブランドに成長させることを目指す方針で、ロゴマークなども刷新した。コスパの良い製品を通じてスポーツの敷居を下げるという従来のイメージを維持しつつ、高いパフォーマンスを求めるアスリートや、ファッション性を求める利用者のニーズに対応する商品の投入にも取り組む。

ブランドイメージの明確化に向けて、林立状態のPBを抜本的に整理し、9種類の「スペシャリスト」ブランドと4種類の「エキスパート」ブランドに絞り込む。前者はQuechua(登山、ハイキング、キャンプなど)をはじめとして、主に一般利用者向けのPBで構成。後者は、Van Rysel(ロードバイク)、Simond(登山)、Kiprun(ランニング)、Solognac(狩猟)の4ブランドで構成され、よりハイレベルの利用者向けという位置づけ。「エキスパート」ブランドはデカトロンの店舗以外でも販売し、各部門での高級ブランドと競わせることを目指す。また、購入商品に関連した情報・アドバイスの顧客への提供など、サービス面も強化する。

経営戦略では温室効果ガス排出削減も課題とし、直接・間接の排出量(スコープ1、2、3)を2026年までに20%、2030年までに42%削減し(比較対象年は不明)、2050年にはネットゼロを達成することを目標に掲げた。特に製品の再利用や生産の脱炭素化などを通じた削減を予定している。

KSM News and Research