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パリ五輪、観光業界には期待外れか

2024年のパリ五輪は、パリの宿泊・飲食業界にとって期待外れに終わりそうな公算だ。現時点で五輪開会式のチケットがまだ売れ残っているが、パリ市内のホテルの予約状況も満室には程遠い。

2023年秋、ホテルや民泊型宿泊施設が、通常の4-5倍の料金で五輪期間の予約受付を開始し話題になったが、現在の提示価格はファッションウィークやエアショーといった大型イベント時並みに落ち着いてきた。パリ観光局によると、五輪期間中のパリ首都圏の宿泊料金は平均481ユーロで、通常の2倍ではあるが、過去に五輪を主催した他の都市の状況と変わらない。パラリンピック期間の宿泊料金はほぼ平常価格。客室稼働率も平年並みの60-70%と予想される。

例年、夏にパリを訪れる観光客の20-25%が外国人だが、今年はこれが10-15%に低下するとパリ市は見ている。その分観光施設の入場者数も減少する。フランス人観光客に比べて多くの支出を期待できる外国人観光客が減少する上、五輪の喧騒を避けてパリを離れるというパリ市民も多い。

飲食業者は、五輪期間中に開店するのが得策かどうかを真剣に考えている。開店を決めたものの予約が入ってこない。交通規制や渋滞で食材の配達が滞る恐れがある。テラス営業の時間延長や深夜営業の申請にパリ市が許可を出すかどうかが、鍵になるかも知れない。

KSM News and Research