RATP(パリ交通公団)で就労条件に関する労使合意がこのほど締結された。「週4日労働制」の試験導入が盛り込まれて注目されている。
労使合意は3年間を期限として、RATPの主要4労組のうちFO、CFE-CGC、UNSAの3労組との間で調印された。最大労組のCGTは調印しなかった。「週4日労働制」は、メトロ5号線、7号線、9号線とRER(郊外連絡急行)B線の駅勤務の職員のうち希望者を対象に1月末から始まった。170人がこの制度を選択した。4日連続で勤務の後に2日連続の休日が来るというサイクルを続けるというもので、1日の勤務時間(7時間15分)に変更はない。駅勤務の職員のうち、検札係等については別の体制(4日勤務で3日休日、1日の就労時間は1時間30分増)が適用される。経営側は、全体として年間の就労時間は据え置きになると説明している。試験導入の成果が良好なら、駅勤務の職員6000人のすべてについて適用を認める計画。
勤務体制を理由とする退職者が最も多いのが駅勤務の職員だといい、休日の日程を予見可能にして私生活との折り合いをつけやすくする工夫として、この「週4日労働制」の試験導入が決まった。RATPでは職種により人手不足が鮮明になっており、就労条件の改善は人材の誘致力確保の上でも不可避の課題となっている。