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パリ五輪の「空飛ぶタクシー」試験導入、実現なるか

パリ五輪の開催にあわせて「空飛ぶタクシー」の試験導入を行う計画の実現が危ぶまれている。パリ市議会も計画に消極的な姿勢を示している。

計画では、大会期間中を含む6月から年末まで、シャルルドゴール空港・ルブルジェ空港間、イシーレムリノー市のヘリポートとベルサイユ市近郊のサンシールレコール空港までの間、また、イシーレムリノーからパリ市内のオーステルリッツ駅付近の発着場までの間の3路線を対象に、独Volocopter社が開発の小型垂直離発着機(乗客1人乗り)を運航することになっている。1日に2000-2500便程度の運航を予定する。料金設定は、通常のタクシーの2倍程度とされ、これは110ユーロ前後に相当する。計画主体のADP(パリ空港会社)は19日に、脱炭素モビリティの新機軸の有用性を検証するためにも試験導入が必要だと強調し、計画の実現に向けた意志を再確認した。ただ、2月初頭に発表されたパブコメの結果は否定的で、渋滞解消といった公益上の利点に乏しいとする意見書が提出された。欧州航空安全機関の型式証明取得もまだ完了していない。また、パリ市議会では、特にオーステルリッツ駅付近の発着場について、騒音問題や美観を損なうといった批判の声が上がっている。

KSM News and Research