業界団体FPFがクラウドファンディングの2023年実績集計を8日に発表した。規制の枠組みが整った2014年以来で成長を続けてきたクラウドファンディングが2023年には初めて減少に転じた。
これによると、2023年にクラウドファンディング事業者が集めた資金は20億8900万ユーロとなり、過去最高を記録していた前年(23億ユーロ)から11.3%減少した。2015年と比べると12倍に増えているが、2023年には成長が小休止した。その最大の原因は、金利上昇に伴う不動産投資の冷え込みで、クラウドファンディングがこの分野で集めた資金は前年比で28%減の11億6100万ユーロにとどまった。不動産投資は2022年にはクラウド全体の68.2%を占めていたが、これが2023年には55.6%まで後退した。ファイナンスの対象となった不動産案件(大部分が住宅)数も、前年の1628件が1237件まで低下した。
また、3年前から、クラウドファンディング事業者の許認可制度が厳しくなったが、これに伴う費用増で撤退する事業者が増え始めており、これもマイナスになったと考えられる。
好調な分野もある。再生可能エネルギー分野の案件数は2023年に351件となり、前年比で11.5%増を記録。調達額は3億6800万ユーロとなり、全体の17.6%を占めた。