乳業大手ラクタリスが6日、警察による捜索の対象となった。脱税捜査の一環とみられている。
ラクタリスはフランス屈指の大手企業だが、一族経営の非上場企業で、不透明なガバナンスが批判の対象になることも多かった。6日には、ラバル市(ブルターニュ地方)の本社と、パリ市内のモンパルナスタワー内の事務所を対象に捜索が行われた。ベニエCEOのパリ市内の自宅(7区)も捜索の対象になったと報じられているが、ラクタリス社はそちらについては事実関係を確認していない。同社は捜索について、過去の事件を対象にしたものと説明している。
全国管区金融犯罪検事局(PNF)は2018年に、一連の報道をきっかけとしてラクタリスに関する調査を開始していた。報道によると、ラクタリスは、ベルギーとルクセンブルクの子会社に利益を移転する形で、本国フランスでの課税標準を不当に小さくしていた疑いがある。2013-18年にかけて2億ユーロ以上の脱税がなされていたともいわれる。
これと並行して、税務当局はラクタリス社の税務調査を進めており、2019年7月に本社の立ち入り調査を実施している。2022年時点で調査結果をPNFに通知したという。