仏会計検査院は2月6日、スキーリゾートへの温暖化の影響に関する報告書を公表した。
アルプス地方では、1971年から2019年の間に標高2000メートル以下の地域の積雪期間が約1ヵ月短くなった。温暖化の影響で滑走可能コースが減っていく中、会計検査院は2018年の報告書で既にスキーリゾートの未来の脆弱さを案じ、新たな開発モデルの必要性を指摘していた。スキーリゾートの多くは1960-70年代に国家援助で開発されたが、現在では、地域経済がスキー場に過度に依存する状況を招いている。
今回の報告書では、人工降雪機に依存した対応を、補助金に頼るもので長期的な解決策にはならないと指摘。スキー以外の多角化については、スキーリフトがなければできないレジャー活動(サマーリュージュやジップラインなど)が多く、多角化として不十分だとも指摘した。その上で、本格的な多角化推進とスキー場施設の解体を支援する基金の導入を提案した。