全国管区金融犯罪検事局(PNF)が、パリ五輪競技大会組織委員会(COJOP)のエスタンゲ委員長を対象にした調査を最近に開始したことが明らかになった。司法筋が調査の存在を認めた。過剰な額の報酬の適法性が焦点になっているという。
エスタンゲ委員長は2020年まで、組織委委員長として年間27万ユーロ(現金給与総額ベース)の報酬を得ていた。この金額は、団体の法定報酬上限を大きく上回っており、その適法性が調査の対象となっている。組織委側はこれについて、組織委は非営利団体とは異なり、収入の96%を商業活動により確保しており、付加価値税(VAT)も免除されていないなど、通常の団体と比べて事情は大きく異なると説明。組織委の非営利団体ではない事業の性格は、当局によるタックスルーリングにおいても認められていると主張した。委員長の報酬については、諮問組織の提案を経て、委員長が加わらない投票で議決されたものであるとし、法律違反ではないと主張している。
エスタンゲ委員長を巡っては、これまでにも、自身の関係する会社が組織委に役務を提供し、報酬を得ていたことが、利益相反などに当たる疑いがあるとする報道が浮上していた。