フランスの宝くじを独占するFDJは22日、欧州のオンライン賭博大手Kindredに対する友好的TOBに着手すると発表した。総額で26億ユーロに上る買収案件となる。
Kindredはナスダック・ストックホルムの上場企業。Unibetをはじめとする9ブランド(bingo.com、32 Red、Maria Casinoなど)を通じて、欧州、北米、オーストラリアで事業を展開している。従業員数は2500人程度で、顧客数は3000万人近くに上る。
FDJは、1株130スウェーデンクローナでTOBを実施。この価格は19日の終値に対して24%高い。2月19日に開始し、最大で9ヵ月後に完了する。
FDJはかつての仏国営企業で、現在はパリ株式市場の上場企業。2023年には、アイルランド同業PLIを3億5000万ユーロで買収し、初めて外国の宝くじ事業への進出を果たした。フランスの賭博部門における最大手企業で、オンライン賭博(ポーカー、馬券、スポーツくじなど)の強化を狙っており、今回のTOBに乗り出した。FDJによると、Kindredの吸収後に同社は欧州の賭博市場で第2位となる。また、買収は利益の増加をもたらし、2025年から配当金を10%押し上げる効果をもたらす。市場はTOBの発表を歓迎し、FDJの株価は22日の終値で6.23%の上昇を記録した。