ルメール経済相は21日夜、民放テレビ局TF1とのインタビューの中で、2月1日付の電力料金引き上げ幅について発表した。通常料金の個人(1060万人)について8.6%、夜間割引がある契約の個人(930万人)について9.8%の値上げになると予告した。
政府は、2月1日付の電力料金引き上げ幅を10%未満に抑えると約束していたが、その中で高めの引き上げ幅を選んだことになる。電力卸価格は、高騰した1年前と比べて、足元で30%の低下を記録しているが、政府は、2021年に導入したエネルギー価格抑制措置を2025年までに段階的に廃止する方針を決めており、同措置の枠内で決めた減税措置を縮小することで、電力料金を引き上げる。
政府は具体的には、TICFEと呼ばれる消費税を、通常の1MWh当たり32ユーロから、個人について1ユーロへ引き下げており、これにより年間に90億ユーロの負担が国に発生していた。2月1日付では、このTICFEが1MWh当たり21ユーロまで引き上げられ、国は年間ベースで60億ユーロの増収を得る。電力卸価格の低下分を、国が減税幅の追加縮小により消費者から吸い取る格好になる。