1月18日に発表されたアルタレス・グループの調査によると、2023年の仏の企業倒産件数は5万7729件で、前年(2022年)比35.8%の増加を記録した。10-12月期の倒産件数は1万6820件と、前年同期比37.2%増になり、10-12月期にこの水準の増加率が記録されたのは1992-93年の不況期にまで遡る。2022年通年では、2023年をはるかに上回る前年比49%の増加率が記録されていた。この倒産の急増は、コロナ危機下で国が実施した広範な資金援助の反動が一因だが、それだけではなく、財務体質の財弱な多くの企業が極めて厳しい経済環境下で経営を強いられているという構造的問題が背景にあると分析されている。他方、BPCEグループは、「2023年は中小企業・中規模企業にとって極めて困難な年であった」と分析しており、企業倒産によって脅かされる雇用数の規模を24万人と試算している。これは2019年比では1/3増に相当する。2024年も引き続き25万人の雇用が脅かされるリスクがあり、部門別では特に、金利上昇に直撃された不動産・建設部門、マージン減少に圧迫される外食・企業向けサービス部門で苦しい状況が続く。