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RSA受給者への就業努力義務付け、試験導入で一定の成果

主な生活保護手当であるRSAの受給者を対象にした就業努力等の義務付けについて、試験導入が開始から1年目を迎えた。既に一定の成果が上がっているとレゼコー紙が報じた。

この制度は、2025年の本格導入開始を目指して準備が進められている。1年前に18県が試験導入を開始。近く新たな県が追加される見通しだが、40程度の県が導入を希望しているという。

この制度は、RSAの受給者に対して、一部の例外を除いて職業安定の公的機関への登録を求め、週15時間の就業努力等を義務付けるという趣旨。義務化を前に、業績評価を行う目的で試験運用がなされている。この年頭時点では、試験地域における4万人の受給者のうち、1万6300人が登録と就業支援の対象となっている。うち半数が、就業の見込みが高いと判定され、就職活動や研修、起業支援などの対象となっている。全体的な結果はまだ出揃っていないが、去る6月に就業等支援を受けた人のうち3割は5ヵ月後に1ヵ月を超える雇用契約を得るなど、一定の成果がみられるという。

登録と支援は年頭に発足したフランス・トラバイユが担当することになる。担当者1人につき60人の登録者を上限に設定、このため、制度が本格化するにつれて人員を増やす必要があり、費用負担も大きくなる。2023年には2100万ユーロの予算が設定され、2024年には1億7000万ユーロの予算が予定されている。2025年に義務化されるとさらに大きな予算が必要になる。

KSM News and Research