8日発表の税関統計によると、2023年11月までの12ヵ月間の仏貿易収支は1103億ユーロの赤字となった。同赤字は2022年通年では過去最大の1640億ユーロに上っていたが、2023年にはこれを顕著に下回ることが確実になった。
政府は、貿易赤字が2023年に1050億ユーロ、2024年には950億ユーロまで縮小すると予想している。ただ、コロナ前の2019年には、貿易赤字は600億ユーロを下回っており、危機前と比べて高めの水準が続くことになる。
11月の月間貿易赤字(直近3ヵ月間の平均で示す)は74億ユーロとなり、10月の77億ユーロから減少した。輸出は2億ユーロ増の496億ユーロを記録。輸入は1億ユーロ減の570億ユーロとなった。貿易赤字の縮小は、炭化水素価格が一時と比べて落ち着いたことに由来している。それでも、エネルギー製品の貿易赤字は月間で50億ユーロに上っており、赤字の大部分がエネルギー製品の輸入に由来していることになる。輸出面では、電力収支が黒字を続けているものの、価格低下を受けて、同輸出額は横ばいとなった。
経済省の予想によると、外需は2023年の経済成長率に0.6ポイントのプラス貢献をもたらす見込み。輸出が回復(2.1%増)する一方で輸入はほぼ前年並みとなり、全体で経済成長を押し上げる役割を果たした。