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ラ・バンク・ポスタル、モバイルバンキング事業の中止を検討

ラ・ポストの銀行部門子会社ラ・バンク・ポスタルは12月20日、2019年に開始したモバイルバンキング事業「Ma French Bank」の中止を検討していることを公表した。プレスリリースによると、Ma French Bankは採算性が確保できず、適切なビジネスモデルを確立できない状況にあり、非常に競争の激しい国内市場で採算性確保を求めて規模を拡大し多額の投資を行うことは、ラ・バンク・ポスタルの戦略プランと相入れないと判断された。従業員代表への通知・諮問の手続はすでに始まっており、事業中止が確定した後は12-18ヵ月をかけて必要な手続を進める。業務を担当している職員161人はバンク・ポスタル内に配置転換される。

フランスのモバイルバンキング部門では最近INGとオレンジがやはり事業中止を発表。それぞれ利用者に対しては、INGは競合大手のブルソラマへ、オレンジはBNPパリバ子会社ハローバンクへの移動を推奨していた。なお、ラ・バンク・ポスタルではMa French Bank事業を他社に売却する可能性も否定していない。

2019年にスタートしたMa French Bankは、競合企業がひしめきあう国内モバイルバンキング市場で思ったように利用者数を伸ばせず、2025年の利用者数目標100万人に対して、現時点の利用者数は75万人にとどまっている。事業中止後、利用者の口座はラ・バンク・ポスタルに移管することが可能で、利用者の資金の安全性に問題はない。

ラ・バンク・ポスタルは近年、各種のサービス多様化を進める一方、リスク評価が十分でなく、最近の金利上昇で苦境に陥っていた。これを受けてCEOが交代となり、2ヵ月前に就任したステファン・デデヤン新CEOが今回のモバイルバンキング事業の中止決定を下した。

KSM News and Research