欧州委員会は18日、米SNS大手のX(旧ツイッター)に対する正式調査を開始したと発表した。先に制定されたデジタルサービス法(DSA)違反の疑いで開始した予備調査を正式調査に切り替えた。DSA違反の疑いで正式調査が行われるのはこれが初めて。
ハマスとイスラエルの間の紛争が勃発して以来で、X上にはテロリズム的な性質を有する暴力的なコンテンツやヘイトスピーチが投稿された。欧州委は、偽ニュース流布の対策が不十分とみて、Xに対して説明を請求。X側が公表済みの資料などを含めて検討の末、今回の正式調査の開始を決めた。欧州委は、Xによるリスク評価と違法コンテンツ排除の取り組みが不十分であり、また、研究者が評価を行えるようにするためのデータ開示の取り組みも不十分であるなどの疑いを示しており、DSA違反の事案として調査する。調査によりエビデンスの収集を進めて、制裁手続き開始の是非を決める。
Xの側では、調査に協力するとコメントし、法令を順守する姿勢を確認。政治的影響を一切排除して調査を行うことが大切だともコメントした。