フランス情報メディアのET TOI(エトワ)

フランスと日本をつなぐ

1€=

新規登録

「生命の終わり」に関する法案、再び提出に遅れか

「生命の終わり」に関する法案の提出が遅れる見通しとなっている。マクロン大統領が決定を躊躇しているという。

「生命の終わり」に関する法案は、マクロン大統領の発案で準備が始まり、市民代表を交えた協議会なども開かれたが、正式な提出が遅れている。今のところ2月に提出される予定だが、遅れる公算が強まっている。保守系日刊紙ルフィガロは14日付で、ターミナルケアのスタッフ組合に提示された法案素案の内容を報道。スタッフ組合が強くその内容に反発していることも伝えた。

法案には、尊厳死を望む人の「死を助ける」ことを例外的な措置として認める上での条件を定める部分が含まれている。スタッフ組合側はこうした措置に反発しており、高齢者が家族への忖度から自らの死を認めることを半ば強制される可能性があるなどと主張している。マクロン大統領は、「安楽死」という言葉を使うことに自ら強い抵抗感を感じているといい、「自殺ほう助」という言葉も認めず、「死を助ける」という表現を使わせたとされるが、内容そのものへの反発は一部に根強い。その一方で、より踏み込んだ改革を求める声もある。治癒の見込みのないがんで闘病を続けている歌手のフランソワーズ・アルディさん(79)も先頃、インタビューの中で、呼吸困難のような苦しみに直面する前に、早期に命を終えたいと述べて、法案の準備に一石を投じた。

KSM News and Research