フランス情報メディアのET TOI(エトワ)

フランスと日本をつなぐ

1€=

新規登録

俳優ドパルデュー氏のレジオンドヌール勲章巡り物議に

アブドゥルマラク文化相は15日、俳優のジェラール・ドパルデュー氏に授与したレジオンドヌール勲章を取り消す手続きを開始すると予告した。ドパルデュー氏は弁護士を通じて、勲章を返上する考えを明らかにした。

レジオンドヌールはフランスに貢献した人に贈られる勲章で、19世紀初頭のナポレオン時代に創設された。フランス国家が贈る代表的な勲章として知られる。ドパルデュー氏は1996年のシラク政権時代にレジオンドヌール勲章を受けた。ドパルデュー氏は2020年以来、一連の性的暴行・強姦容疑の捜査の対象となっており、また、最近にフランス2局で放送された調査報道番組で、同氏が北朝鮮を訪問した際に女性蔑視の発言をした模様が報じられ、改めて物議を醸していた。アブドゥルマラク文化相はこれに反応し、懲戒手続きを開始する旨を明らかにした。

レジオンドヌール勲章の規定によると、「名誉に反する」行為があった場合には、譴責、資格停止、追放の処罰を決めることができる。これまででは、シリアのアサド大統領、パナマのノリエガ大統領、自転車ロードレースのアームストロング選手(ツールドフランスで7連覇を達成したがドーピングで取り消しに)、デザイナーのジョン・ガリアノ氏(ユダヤ人差別発言で有罪判決)などが、勲章を返上するか、はく奪されたことがある。ドパルデュー氏側は、刑事事件で有罪が確定していないのに処罰手続きを開始するのは不当だとした上で、自ら返上する用意があると説明している。

KSM News and Research