パリ首都圏の公共交通機関を統括するIDFMはこのほど、2024年の運賃改定について発表した。12月7日に正式決定する。
NAVIGO(定期券)は月額で86.4ユーロに引き上げられる。同料金は2023年には11.8%の大幅な引上げの対象となっていたが、来年にも2.3ユーロの値上げが実施される。1回券は1.69ユーロから1.73ユーロへ引き上げられる。NAVIGOは、1日券では20.10ユーロが20.60ユーロへ、1週間券では30ユーロが30.75ユーロへ、年間券では925.10ユーロが950.40ユーロへ、それぞれ引き上げられる。
2024年6月にはメトロ14号線の延伸部分が開業する。パリ南方のオルリー空港まで直通で行けるようになるが、市内からオルリー空港までは11.50ユーロの料金が設定された。この料金設定は、市内から北方のシャルルドゴール空港までの料金と横並びだが、シャルルドゴール空港までを結んでいるのはメトロではなくRER(郊外連絡急行)という違いがある。メトロは1回券でどこまでも乗れるのが建前であり、14番線でこの原則が初めて崩れることになる。この料金設定には批判の声もある。
パリ五輪期間中となる7月20日から9月8日までは特別料金が適用される。NAVIGOの1日券及び1週間券は期間中に販売が停止され、代わって、1日16ユーロ、1週間では70ユーロの「Pass Paris 2024」が販売される。1日券は有利だが、1週間券は大幅に高い料金設定となる。期間中は1回券も4ユーロと高くなるため、1回券のチャージができるNAVIGO Easyに多めにチャージしておくとよい。