過剰消費の抑制を呼びかける政府広報が物議を醸している。経営者団体等が営業妨害だと反発しており、政府部内にも広報への批判が広がっている。
問題の広報は、ブラックフライデーにあわせて、ADEME(環境・省エネ庁)とエコロジー移行省が共同で準備した。4本のコマーシャルがテレビ等を通じて公開された。いずれも、「反販売員」を名乗る店員等が、商品購入を相談する顧客に対して、「買わないで借りればいい」とか「本当に必要か」などと購入を抑止する内容で、「現実世界には反販売員はいないので、一人一人が考えて消費をしましょう」といったメッセージが流れる。経済団体(MEDEF、CPME)は揃って、「商店を悪者にする」悪意ある広報だと反発。経済省に対して抗議のメッセージが殺到しているという。
与党内や政府部内からも批判の声が上がっている。経済省からは、事前に一切の打診なしに広報キャンペーンが開始されたとする不満の声が聞かれる。首相や大統領の裁可も得ていないといい、マクロン政権の足元の定まらなさを象徴した事案だとする評もある。キャンペーンを決めたベシュ・エコロジー移行相の周辺は、問題の広報の取り下げは予定していないし、閣内で取り下げを求める声はないと説明している。