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アトランティック造船所、MSCから大型クルーズ船2籍を追加受注

仏国営アトランティック造船所(サンナゼール)はこのほど、スイス籍の海運大手MSCから、LNG燃料で稼働できる大型クルーズ船2隻を受注した。全長333メートルの「ワールドクラス」クルーズ船2隻を追加で受注した。
MSCはワールドクラス2隻を既に発注しており、初号船の「MSCワールド・ヨーロッパ」は2022年10月に引き渡されて就役中。2隻目の「MSCワールド・アメリカ」は2025年春に引き渡される予定となっている。追加発注の2隻は、2026年と2027年に引き渡される予定。
クルーズ船は環境破壊で批判の的となっているが、MSCは、ワールドクラスが2隻目までで、国際海事機関(IMO)のエネルギー効率関連条約(EEDI)の要件を上回るパフォーマンスを達成している点を強調。新規発注分ではさらに進めて、廃熱回収・有効利用の推進と、バイオ・メタンやグリーン・メタノール等代替燃料を使用できるエンジンの採用、メタンスリップの軽減などを通じて環境配慮を徹底する。新造船は、基準年の2008年比で温室効果ガス排出量を2分の1に削減する。MSCはその一方で陸上給電への切り替えを進めて、2050年までに温室効果ガス排出量のネットゼロ達成を目指す。
アトランティック造船所は従業員数3500人、2022年の年商は19億ユーロ。今回の契約で2026年以降まで手持ち工事量を確保した。ワールドクラスのあと1隻のオプションも取り付けている。

KSM News and Research