米専門誌「Venues Now」と「Pollstar」が2002年から発表している世界各地のアリーナの有料入場者数による最新ランキング(2022年11月27日-2023年8月16日)において、収容人数1万5000-3万人のカテゴリーで、パリ12区にあるアコーアリーナ(収容人数2万人)が初めて2位となった。これまでの最高位は5位だった。トップは今年も圧倒的強さを誇るニューヨークのマディソンスクエアガーデン(MSG)。アコーアリーナは今回、ロンドンのO2と入れ替わりで2位となった。
アコーアリーナは対象期間に71イベントを受け入れた。その有料入場者数は97万4000人、同収入は7000万ドルを超えた。首位のMSGは112万人・約 1億3900万ドルだった。3位のO2は、有料入場者数が96万8000万人だが、収入は9800万ドル超で、アコーアリーナよりも大きかった。
アコーアリーナを運営するパリ・エンターテイメント・カンパニーによると、パリでは、若い世代を中心として、コンサートなど舞台芸術の人気回復が他の欧州の都市よりも著しいという。また、フランスのラップミュージシャンの動員力が高まったことで、12-15ヵ月前から日程が決まっている国際的大スターのイベントの間を縫って、若いラップミュージシャンのコンサートを2-3ヵ月前というタイミングでセットできるようになってきており、これによってアリーナの稼働率が高まった。また、近年は設備の拡充にも力を入れており、新しい4面ディスプレイが設置されたほか、セーヌ川を見下ろす100平米のVIPスペースも新たに整備された。
アコーアリーナの年商は2023年8月期に5600万ユーロで、5年前と比べて35%増加した。2024年のパリ五輪では競技会場にもなっているが、五輪開催直前の6月25日まではコンサート等の開催が可能となる見通しで、来年も好業績を見込む。