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大統領経験者の特殊年金、廃止巡る議論が再燃

下院小委員会で審議中の2024年予算法案の修正案として、大統領経験者に対する特殊年金の廃止を盛り込んだ修正案が10月30日に採択された。左派野党の社会党が提出した。政府は、予算法案に、採決を経ずに採択させる強制措置(いわゆる「49.3」)を発動する見込みで、この修正案はその時に削除されるものとみられる。
大統領への年金支給の廃止は、マクロン大統領が2019年に予告した公約だった。政府は当時、年金改革を進めていたが、大統領はそれにあわせて、自らは退任後に年金を受け取らないと約束していた。ただ、その後、現在まで具体的な法令改正が行われておらず、野党側は時折、今回のような形でこの問題を追及している。
大統領経験者は、行政最高裁(コンセイユデタ)の評議員の報酬(2019年時点では月額・税引き前で6220ユーロ)と同じ額の年金を死亡時まで受け取れる規定になっている。死亡後にも配偶者に半額の支給が継続される。政府はこの問題で、大統領の約束を守るとし、制度を改正するには立法措置は必要なく、政令を定めることで改正できると説明している。具体的には、大統領について、閣僚等と同じく通常の年金制度の適用に切り替えることが検討されているといい、マクロン大統領とそれ以降の大統領に適用される。

KSM News and Research