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年金方針評議会(COR)の議長にジルベール・セット氏

政府は10月31日に開いた閣議で、年金方針評議会(COR)の議長にジルベール・セット氏を任命した。ピエールルイ・ブラ議長の後任として任命した。
年金方針評議会は、首相府の下に置かれた諮問機関で、労使代表や行政機関の代表、国会議員、有識者の41人の委員により構成される。独立組織として運営され、年金制度の将来予測などを行い、政府に答申を提出している。
ブラ前議長は2015年1月より現職にあったが、年金改革に際しては、改革に批判的な立場を表明することも多く、マクロン政権との関係が悪かったともいわれる。年金方針評議会に加わる労組の多くは、マクロン政権が気に入らない人物を切り、イエスマンに置き換えたと反発している。セット新議長は67才。大学等で教員を務めたエコノミストで、マクロン大統領の経済政策や年金改革について好意的な立場表明で知られていた。2017年からは法定最低賃金(SMIC)に関する専門家グループの座長も務めているが、労組側は、セット氏がSMICの底上げを認めない立場を貫いてきたことも問題視している。政府の側では議長人事について、9年間の在任を経てブラ議長の退任は適切な時期だったとして、遺恨絡みの解任だという見方を否定している。

KSM News and Research