26日発表のCircana月例調査によると、量販店における消費財小売価格は10月に前月比で0.6%の低下を記録した。前年同月比では9.2%の上昇を記録、前月の11%から減速し、一桁台に戻った。ただし、2年前と比べると21.3%の上昇を記録しており、これは前月の21.2%からわずかに加速している。全体として、食料品価格は高止まりであり、わずかな低下が家計にとって目に見える形では現れていない。製品別では、プレーンヨーグルト(前年同月比16.3%上昇)、インゲン豆缶詰(3.6%上昇)、ハンバーグ(2.2%上昇)など値上がりが目立つ製品がある一方で、まぐろ缶詰(14.8%低下)、ヒマワリ油(4.3%低下)、いちごジャム(1.5%低下)などでは値下がりを記録した。
政府は食料品価格の上昇の対策として、国会審議中の法案に、小売業者とメーカーの間の年次価格交渉の期限を前倒しに設定する方針を盛り込んだ。去る9日に下院を通過した時点で、交渉期限は2024年1月15日(中小企業のメーカーについては2023年末日)に設定された。26日からの上院審議では、この期限が15日間後ろ倒しとなる可能性がある。交渉期限を早めたところで値下げが決まるものではないと、効果を疑問視する向きもある。