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補足年金金庫の労使交渉が妥結:国庫への拠出を拒否

民間部門の補足年金金庫Agirc-Arrcoを共同運営する労使は5日、2026年までの期間を対象とする運営方針を巡る交渉で基本合意に達した。支給額の増額等について合意した。合意は、11日深夜を期限として、労使双方の最終承認を経て正式に成立する。
Agirc-Arrcoでは一時、赤字収支が続いていたが、立て直し努力が実を結んで現在は黒字収支に復帰している。基本合意では、11月1日付で4.9%の支給額引上げを実施することで合意。インフレ並みの改定に復帰する。これに加えて、立て直しを目的に導入されていた支給額の減額措置を廃止することを決定。これは、満額受給が可能な退職者に2019年から適用されている措置で、退職から3年間に渡り支給額に10%の減額を適用するという内容だった。これを回避するには、1年間にわたり退職時期を遅らせて就労を継続するのを受け入れなければならなかった。この制度が12月1日付で新たな退職者から廃止され、適用中の人については2024年の4月1日付で廃止される。
政府は、Agirc-Arrcoに対して、年金改革(定年年限を2才引き上げて64才とする)の「恩恵」により生じる収支改善分を国庫に納めるよう求めていたが、労使はこれには応じなかった。政府は年間10億ユーロの拠出を求めて働きかけていたという。政府は、社会保障会計予算法案に盛り込む形でこの拠出を強制することができるが、その場合は、労使共同運営という原則を尊重しなかったという印象を与えかねず、難しい決断を迫られることになる。

KSM News and Research