仏最大手銀行BNPパリバは23日、英HSBC銀行からドイツのプライベートバンク事業を買収する契約を結んだと発表した。ドイツ事業を強化する。
HSBCは非戦略事業の整理を進めており、フランスのリテール業からの撤退なども完了している。今回売却を決めたドイツ事業は、年間収入9000万ユーロ程度、従業員数は100人程度の事業で、売却額は明らかにされていないが、報道では3億-6億ユーロ程度で交渉がなされていたという。
BNPパリバはドイツ事業の強化を進めており、2012年から2021年にかけては収入が2倍増を記録。従業員数は6000人を超えている。今回の買収を経て、ドイツ事業における運用資産総額は400億ユーロに達することになり、ドイツ大手のコメルツバンクやドイツ銀行と競える規模まで大きくなる。保有資産額2500万ユーロ以上の超富裕層を含めて、資産家の顧客層とのパイプを強めることができる。
ドイツには、ミッテルシュタントと呼ばれる一族経営の中堅企業が多く、資産運用や貿易業務など金融機関の需要は何かと多い。最近では、伊ウニクレディトがコメルツバンクに買収攻勢をかけるなど、外国勢の注目も高まっている。BNPパリバはその中で今回の買収を決めた。
KSM News and Research