ユネスコ世界遺産委員会は18日、サウジアラビアで開いた第45回会合において、南仏ニーム市(ガール県)の「メゾン・カレ(四角い家)」の世界遺産登録を承認した。
メゾン・カレは、ローマ帝国のアウグストゥス帝時代に建設された神殿で、正面は長さ26メートル、幅15メートル、高さ17メートル。柱廊の上に三角形のペディメント(破風)を備え、全体の形は直方体をした典型的なローマ帝国時代の建築で、現在まで完全な形で保存されているものは珍しい。これまでの長い歴史の中で、教会や公共施設、私有の施設などとして利用されてきたが、それが建物の保存に貢献した。現在は博物館として一般に公開されている。構造的部分は、屋根材などを除いて、2000年ほど前からそのままの形で残っており、代表的な建築様式が変わらずに受け継がれてきたことが特に評価された。
地元のニーム市にとって、世界遺産指定は10年来の悲願の達成となった。ニーム市は、フランス政府の支援を得て、メゾン・カレと近接する円形闘技場及びその周辺地区をセットにして指定の申請を行ったが却下されたという経緯がある。世界遺産委員会からの助言に従い、メゾン・カレに絞って再び申請を行い、悲願を果たした。