新型コロナウイルスワクチンの接種キャンペーンの時期が繰り上げられた。10月17日の開始予定が10月2日に繰り上げられた。9月15日にルソー保健相が明らかにした。
政府は諮問機関の意見を踏まえて繰り上げを決めた。感染力の強い新変異株のEG.5.1(通称エリス)と、とりわけBA.2.86の感染拡大を防止する目的で、早めのキャンペーン開始に踏み切る。足元で感染率が30%の大幅上昇を記録しているという現実があり、従来のワクチンでは効力が低い新変異株に対応する新開発ワクチンによる接種を急ぐ。感染拡大でも重症化は目立っていないこともあり、キャンペーンは、健康上のリスクのある人(高齢者、慢性疾患のある人など)と、そのような人々に接する機会が多い人(医療スタッフ含む)を対象とする。対象者は1200万人から1800万人と想定されている。10月2日の開始時には対象者が優先だが、対象者以外の希望者も接種を受けられる。ただし、従来のように無償接種が維持されるかどうかはまだ決まっていない。
新変異種に対応したワクチンは、ビオンテック・ファイザーとモデルナによるmRNAワクチン2種が認可を受けている。仏政府はビオンテック・ファイザーに1350万回分を発注済みで、うち250万回分が既に引き渡されている。11月までにはすべての発注分が納入される見通し。