ルメール経済相は12日、ニュース専門地デジ局LCIとのインタビューの機会に、準備中の2024年予算法案の枠で、企業の付加価値を課税標準とする地方税CVAEについて、零細・中小企業に限り全廃すると予告した。
CVAEは、「生産に係る税」の一部として、経営者団体より早期廃止を要求する声が上がっている。政府は2年間で全廃することを約束し、2023年には40億ユーロ相当の減税を実施。2024年に残りの40億ユーロ相当を廃止して全廃する予定だったが、財政健全化を優先するために日程を延期する方針を決めていた。ルメール経済相は今回、再譲歩の形で、零細企業等に限り全廃する方針を明らかにした。
CVAEは、年商50万ユーロ以下の企業については、年額63ユーロの定額納税の対象となるが、経済相はこの63ユーロの納税企業について、2024年よりCVAEを全廃すると予告した。これで30万社程度の小規模な企業が課税対象から外れることになる。これはCVAEの課税対象企業のほぼ半数に相当する。この廃止に伴う政府の負担は年間1900万ユーロとわずかだが、負担の割には減税効果をアピールできる利点がある。全体としては2024年中に10億ユーロ相当のCVAEの課税分の削減がなされる見通し。
KSM News and Research