ボルヌ首相は3日、ラジオ局RTLとのインタビューの機会に、「パフ」と呼ばれる使い捨て電子たばこの販売を禁止する方針を予告した。近く公表する新たな禁煙対策に折り込む形で禁止すると説明した。
「パフ」は、カラフルなスティック型のデバイスで、主に甘口のフレーバー(マシュマロ、わたあめなど)がついている。ニコチンが含まれていないものもあるが、未成年者への販売は既に禁止されている。それでも、調査によると、13-16才のうち13%が吸ったことがあると答えており、ボルヌ首相は、習慣をつけさせて喫煙へと誘い込む手段とパフを位置付けて、その全面禁止に踏み切る考えを明らかにした。
欧州ではパフを禁止する動きがあり、ドイツ、アイルランド、ベルギーなど数ヵ国は既に禁止の方針を予告している。フランスでは、電子たばこ(年間市場規模は推定で10億ユーロ超)の販売量の10-15%を占めており、紙巻きたばこ(1箱8-12ユーロ)よりも低い値段で売られている。インフルエンサーによる広報もさかんで、電子たばこ専門店やインターネット販売を通じたあらゆるチャネルで販売されている。その販売の20-25%を占め、2022年には1億ユーロを売り上げたとみられるたばこ販売店では、全面禁止は特に痛手となるが、業界側は、抜け道がないように、すべてのチャネルで禁止を徹底するよう、政府に対して求めている。その一方で、ボルヌ首相は、たばこ税の増税による値上げは予定していないと言明。これは、パフ禁止で業界を説得するための交換条件である可能性もある。