仏ソシエテジェネラル銀行は6月初めから、9月8日にフランスで開幕するラグビーW杯のスポンサーとして、記念クレジットカードを発行している。同じく大会スポンサーのマスターカードとの提携により、W杯閉幕まで期間限定で発行する。ソシエテジェネラル銀行は、子会社クレディデュノール銀行とのリテール部門の完全統合を経て、年初から地方単位の編成という形にリテール部門を再編しており、今回の記念カード発行は新体制をアピールする狙いもある。
記念カードの前面にはW杯のロゴとともに、マスターカードのロゴが大きくプリントされている。マスターカードは仏市場において競合のビザに遅れをとっており、この機会にフランスでのプレゼンス強化を図る。片や、フランスの全銀行が加盟するカード決済協力団体カルト・バンケールの「CB」ロゴは背面にしかない。カルト・バンケールはビザやマスターカードによる仏市場でのシェア拡大を警戒しており、「CB」ブランドのプロモーション強化でこれに対抗する意向を示している。カルト・バンケールの会長でクレディ・アグリコル銀行副社長でもあるマゾワイエ氏は、今夏初めに「フランスの銀行はすべてCBの発展に共同で責任を負っており、CBロゴを表示していないカードの存在は、この発展を妨げる」と苦言を呈していた。