政府が準備中の2024年予算法案で、「生産に係る税」の減税幅が縮小される可能性がある。経営者団体MEDEFが警戒している。
マクロン大統領は2022年の大統領選の際に、企業の付加価値を課税標準とする地方税CVAEの廃止を公約に掲げていた。同税の税収は80億ユーロ程度で、2023年にはその半分の40億ユーロの減税がなされた。残る40億ユーロは2024年中に減税の対象となるはずだったが、政府は2024年予算において赤字削減を優先したい考えで、この残りの分の減税については実現可能性が危ぶまれている。経済紙レゼコーによると、2024年から2027年にかけての4年間で1億ユーロずつ段階的に削減するとの案が政府部内で浮上しているらしい。レゼコー紙の取材に対して、経営者団体MEDEFのマルタン会長は、政府がサプライサイドに重点を置いた政策を放棄することを危惧する、と言明して、予定通りにCVAEの廃止に踏み切るよう、政府に対して注文を付けた。政府筋では、まだ決定は下っていないとした上で、減税だけでなく財政赤字削減もMEDEFの要求事項の一つであるとし、全体のバランスを見て最善の対応を決めると説明している。