フォール地方自治体担当相は8日付のルモンド紙とのインタビューの中で、暴力行為の標的となる市町村長らを支援するための措置について説明した。500万ユーロ規模の支援を約束した。
警官による少年射殺事件をきっかけとして発生した暴動では、市役所など公共施設が標的になる場合も多かった。また、ライレローズ市では、市長の自宅が襲撃を受けて、市長とその家族が負傷する事件も発生し、広く衝撃を与えた。それ以前から、市町村長が脅迫や暴行などの標的となる事件が増えており、社会問題としてクローズアップされていた。政府は、市町村長らの間で広がる懸念の払しょくに向けて、一連の支援措置を準備した。
まず、市町村長らが法務支援を必要とする場合、市町村議会の議決を経ずに、ただちに支援が認められる形とすることを決定。法務支援の費用については、人口1万人未満の自治体について、国が全額を負担する(現在は3500人未満の自治体が対象)。
暴行の被害を受けた市町村長らについては、家族を含めてメンタルケアを提供する(費用は100万ユーロ)。また、危険な状況に遭遇した場合に救助を要請するための通信装置が支給される。さらに、監視カメラの設置に300万ユーロが投じられ、また、必要に応じて、市町村庁舎や市町村長の自宅の安全確保のために必要な手段が、検事正の許可を得た上で講じられる。暴力行為に対する処罰の強化については、制服警官等への暴力行為並みの処罰を適用する旨を定める法令改正が今秋にも提案される。
これとは別に、警官の暴力に反対するデモ行進がパリで8日に行われた。警官による暴力で死亡した疑いがあるトラオレさんの遺族らの呼びかけで行われたデモ行進で、当局は時節柄危険だと判断して開催を禁止したが、主催者らは禁止に従わずにデモを実行した。2000人程度が参加したが、懸念されたような大規模な騒乱や破壊行為は発生しなかった。