週刊誌シャランジュがまとめたフランスの「職業人資産家トップ500」によると、500人の合計資産額は2023年に1兆1700億ユーロに上った。前年の1兆20億ユーロを上回り、過去最高を記録した。これはフランスの国内総生産(GDP)の45%に相当する。同誌がこの集計を始めた2009年には、この比率は10%に過ぎず、年を追うごとに資産額は増大している。
資産額の増大は、やはり高級ブランド部門の企業の時価総額の増大によるところが大きい。LVMHのアルノーCEOの資産額は540億ユーロ増加し、2000億ユーロに達した。アルノー氏は世界最大の資産家にもなった。上位は高級ブランド部門が占めており、2位はエルメスの創業者一族(591億ユーロ増)、3位はシャネルを所有するWertheimer兄弟(200億ユーロ増)、4位はロレアル大株主のベタンクールメイエール氏(148億ユーロ増)と続く。ベタンクールメイエール氏は女性として世界トップの資産家となっている。この4者だけで増分は1500億ユーロ近くとなり、これは、トップ500の資産額の増分合計(1680億ユーロ)の大部分を占めていることになる。
トップ500の資産額最低ラインは2億3500万ユーロとなり、前年の2億ユーロを大きく上回った。これは前例のないペースの上昇であるという。