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暴動の企業への被害額、10億ユーロ超か

警官に少年が射殺された事件をきっかけに発生した暴動は、1週間近く続き、商店が襲撃や略奪の対象となる事案も多く発生した。7月1日まででは、全国の10ヵ所余りのショッピングセンターと、200を超える大手チェーン店等が襲撃と略奪の被害を受けた。放火を受けた店舗は15に上った。たばこ販売店も250店が被害を受け、銀行支店も250ヵ所が被害を受けた。外食店舗等の被害も多い。被害額の推計は今のところ出ていないが、「黄色蛍光ベスト」の抗議行動(2018年から2019年にかけて2億4900万ユーロ)や、2005年に発生した都市郊外の暴動事件(警官隊に追われた少年が変電施設に逃げ込み、感電して死亡した)の際の2億400万ユーロをさらに上回るものと予想されている。経営者団体MEDEFのルードベジュー会長は、4日に公表されたルパリジャン紙とのインタビューの中で、「観光業への影響を除いて10億ユーロ超」とする数字を示している。
ルメール経済相は1日の時点で、保険会社に対して迅速な保険金の支払いに応じるよう呼びかけると共に、自己負担額を極力縮小することに応じるよう求めた。保険業界団体の側では、自己負担額の縮小については言及しておらず、被害を受けた商店の側では懸念を強めている。
フランスのイメージ低下に伴う観光業への影響も懸念されている。パリ市の観光局では、外国客の予約のうち20-25%程度がキャンセルされたとの推計を示している。うち米国人観光客の予約取り消しは15%程度であるという。

KSM News and Research