7月1日付で法定上限金利が再び引き上げられた。償還期限20年以上の住宅ローンでは上限金利が5.09%となり、前月より41ベーシスポイント引き上げられた。上限金利が5%台に乗るのは2012年以来で初めて。
金利上昇に伴い、上限金利と政策金利の差が縮まり、銀行が与信をしにくくなっていることに配慮し、最近では法定上限金利の改定が毎月実施される形に改められていた。法定上限金利の引き上げが始まる直前の2022年4月以来では、実に270ベーシスポイント近くの引き上げがなされたことになる。償還期限10年以上20年未満の上限金利も4.84%まで引き上げられた。
業界関係者は、この調子だと年末には上限金利は6%を超えると予想している。これにつられて、銀行が設定する実効金利も、今夏には4%に、また2024年初頭には5%にまで上昇するものとみられる。銀行がこれで融資をしやすくなり、住宅ローンから締め出されていた層の利用が増えることも期待できるが、与信が拡大するのは10月以降になるという見方もある。また、金利上昇により住宅購入の購買力はそれだけ目減りすることになり、大きく価格が低下しない限りは、住宅投資が活性化する可能性は薄い。