LVMHグループのワイン・スピリッツ部門モエ・ヘネシーは6月23日、パリのサンジェルマン・デ・プレ地区へのカルテルバーのオープンを発表した。場所はパリ6区のドラゴン通りとサンジェルマン大通りが交わる角、「リップ」や「ドゥマゴ」など界隈の歴史的カフェから至近距離にある17世紀築の建物で、内部を全面改装し、五階建の300平米の全フロアを使って各フロアで異なる雰囲気を演出する。市内を一望できる屋上には亭を置く。このプロジェクトでモエ・ヘネシーはパリ16区のバー「Cravan」(パリで活躍した詩人・ボクサーのArthur Cravanに因む)と提携しており、カクテルバーの呼称も「Cravan」とする。米国やアジアからの観光客だけでなく、地元の顧客もターゲットとし、多くの作家や芸術家が集まったサンジェルマン・デ・プレの雰囲気にちなんで、店内には各種の図書を置いて閲覧できるようにする。軽食もとれ、価格は飲み物が16-18ユーロ、軽食が12-15ユーロと比較的手頃に設定されている。
モエ・ヘネシーでは、顧客に「体験」を提供すると同時に、社員にとっても、自分たちが販売するワインやスピリッツを消費する顧客と直接にコンタクトできる貴重な場であるとしている。LVMHは今年に入ってメンズの新しいデザイナーとしてファレル・ウィリアムス(米国の歌手・音楽プロデューサー・デザイナー)を迎えたところだが、ファッションウィーク等の機会にカクテルバーでのイベントも企画する。