週刊紙JDDなどの依頼で行われた極右政党RNに関する意識調査の結果がこのほど発表された。支持の裾野が広がっていることが確認された。
RNは、ジャンマリー・ルペン氏らが1972年に創設した極右政党「国民戦線(FN)」を前身とする。2代目となるマリーヌ・ルペン現下院議員団団長の下で、2011年より「普通の政党」となることを目指した戦略が進められ、党名も2018年にRNに改称された。「反極右」の封じ込めをかいくぐって政権獲得を狙える足場を確保するのが狙いで、2022年6月の総選挙では89議席という前例のない規模の勢力となることに成功。かねてよりの野望である大統領選挙での勝利(次回大統領選挙は2027年)が次なる標的となっている。
今回の世論調査では、全体の42%が「RNに投票したことがある」と回答。この割合は2017年に30%、2021年に35%と順次拡大していたが、短期間で大きく上昇した。従来の支持層とは異なる年金受給者(34%)、上級管理職(35%)、学卒者(30%)、富裕者(35%)にも投票したことがある人が広がっている。ただ、RNに投票したことがある人のうち、61%は投票の理由として「他の政党を拒否する」ことを挙げており、「RNを支持する」ことを理由に挙げた人は39%にとどまった。「次回の大統領選挙でマリーヌ・ルペン候補の勝利を望むか」との問いには、「望む」が41%となり、2021年の前回調査時に比べて7ポイント上昇、「望まない」(59%)との差が縮まった。その一方で、「ルペン候補が勝利すると思うか」との問いには、「思う」が37%(前回より9ポイント上昇)、「思わない」が63%となっており、RN政権の発足が必ずしも現実的な展望として捉えられていないこともうかがわれる。