高速道路運営会社が8日までに相次いで夏季帰省客向けの割引制度の適用を予告した。7日には、ボーヌ運輸担当相が、高速道路運営各社に対して、インフレ抑制のための貢献を求める考えを表明しており、これに呼応して一部の企業が割引制度を予告した。
バンシ・オートルートは、「バカンス小切手」(行楽や文化活動等の支払いに充てることができるバウチャー。企業が福利厚生を目的に任意で従業員に支給する)によりプリペイド式のETCタグへのチャージがなされた場合、20%を上乗せするという形で割引を適用する。6月15日から7月31日までになされた20ユーロから250ユーロまでのチャージに適用される。課金した分は夏季休暇期を過ぎても使用できる。
これに続いて、APRRとAREAも同様の割引制度を予告した。6-8月にかけて25%の割引を適用する。
高速道路の運営委託のコンセッションを巡っては、業者側の儲け過ぎを批判する声が根強くあり、政府も制度の見直しの可能性を検討している。インフレ亢進の中で業者への風当たりは強い。政府からの圧力には逆らいにくい雰囲気があり、即時の自主的割引措置の導入発表が相次いだ。ただ、「バカンス小切手」の保有者は500万人程度で、受益者はある程度限られている。